パナマ帽(読み)パナマぼう

精選版 日本国語大辞典 「パナマ帽」の意味・読み・例文・類語

パナマ‐ぼう【パナマ帽】

〘名〙 パナマ草若葉を乾燥させて編んだ帽子もとエクアドル製で集産地がパナマであった。パナマ帽子。パナマハット。パナマ。
※生(1908)〈田山花袋一一「パナマ帽の黄くなったのを冠って」

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デジタル大辞泉 「パナマ帽」の意味・読み・例文・類語

パナマ‐ぼう【パナマ帽】

中南米に産するパナマソウの若葉を細く裂いて白くさらし、それを編んだ夏の日よけ帽。 夏》
[類語]帽子被り物シャッポキャップハットソフト帽かんかん帽麦藁帽子制帽学帽角帽チロリアンハットテンガロンハットトルコ帽正ちゃん帽山高帽子シルクハット中折れ鳥打ち帽鳥打ち帽子ハンチングベレーボンネットビーニー

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改訂新版 世界大百科事典 「パナマ帽」の意味・わかりやすい解説

パナマ帽 (パナマぼう)
Panama hat

ブリムの小さい日よけ帽。男女ともに用いられる。もとはイギリス人熱帯地方南アメリカでかぶっていたもので〈開拓者の帽子〉ともいう。約300年前ころからエクアドルで用いられていたが,1890年ころ他国にも広がって流行し代表的な夏の帽子となった。精選したパナマソウの若葉を刈り取り,細かくさいて乾燥したものを編んでつくる。機械と手編があり,手編は1週間から数ヵ月を要するため品質による価格差が大きい。最高品はエクアドル産で,ほかコロンビアペルー,パナマ産のものがある。名称は売買市場パナマにちなむ。
帽子
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百科事典マイペディア 「パナマ帽」の意味・わかりやすい解説

パナマ帽【パナマぼう】

つばの小さな夏の日よけ帽。panama hat。中南米原産のパナマソウの若葉を裂いて乾燥させたものを編んで作る。300年ほど前からエクアドルやコロンビアで作られており,イギリス人がかぶっていた。名称はパナマで売買されていたことに由来
→関連項目エクアドル帽子

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パナマ帽」の意味・わかりやすい解説

パナマ帽
ぱなまぼう
Panama hat

中南米に産するパナマソウの若葉を裂き漂白したものを、細く編んだ真田紐(さなだひも)からつくった帽子。柔らかさや耐久性が優れているので、高級な夏の帽子として扱われる。色は白やクリーム色で、主産地はエクアドル、ペルーなど。名称は、取引場所がパナマであったことに由来する。熱帯に住むイギリス人がかぶっていたものが広がった。日本でも明治20年代に麦藁(わら)帽が流行し、男子の外出に帽子は必携の傾向にあったため、明治30年代から普及していった。パナマ帽は高価で量的な制限もあるので、合成繊維や他の素材の類似品が多くなっている。

[浦上信子]

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世界大百科事典(旧版)内のパナマ帽の言及

【鬼】より

… 一方霊力によって悪魔をはらう鬼もある。このような鬼が登場してくるものとして愛知県北設楽郡の村々で行われている花祭がある。この祭りには榊鬼(さかきおに)が登場する。…

【神楽】より

…この流派が最も広く分布しているが,高千穂神楽では採物神楽に傾き,江戸の里神楽では神話のことごとくを黙劇に仕組むというように能に傾いている。(3)湯立神楽は神聖な湯花に触れて祝福を得ようとするもので,伊勢神宮外宮(げくう)の御師(おし)と呼ぶ外勤神職団によって広められ,伊勢流と呼ばれているが,今は伊勢になく,秋田県平鹿郡の保呂羽山波宇志別神社の霜月神楽や愛知県の花祭などに残されている。湯釜をすえて神々を勧請(かんじよう)し,数々の潔(きよ)めの舞を舞い,ときには見物人に湯花を振りかけるのである。…

【霜月祭】より

…北九州の丑の日祭,奥能登のアエノコト,天草や長島の山祭,中国地方の先祖講,ダイジョウ講のほか,各地の氏神祭や大師講などが代表的なものといえる。また三遠信の国境地帯の遠山祭,冬祭,花祭や秋田県保呂羽(ほろは)山の霜月神楽のように神楽形式の祭りを行う場合も多い。南島の霜月祭,冬折目は本土とは異なり,里芋,甘藷,山芋など芋類の収穫祭となっており,より古い形ではないかとみられている。…

【天狗】より

…これに対して愛宕の天狗と中国から渡った是害房(ぜがいぼう)天狗が,比叡山の高僧に散々こらしめられるというのが《是害房絵詞》で,ともに天狗のイメージの種々相を活写した中世の絵巻物である。また山村における天狗の祭りとこれに伴う天狗の舞を芸能化した代表的民俗芸能は,奥三河の花祭である。この祭りは山頂の高嶺(たかね)祭で山神天狗をまつり,その天狗天白を祭場(舞所(まいと))の屋根棟に迎えて,その下で徹宵の舞が行われる。…

【民俗芸能】より

…祭場の中央で煮立てた湯を神に献じ,神の息吹きのかかったその湯をまわりの人々に浴びせることで魂の再生をはかろうとする。これも鎮魂の意義をもつ神楽で,巫者が採物で神を迎え,のちに仮面の神役が出て鎮魂の所作を行う形が愛知県の花祭や,長野県の遠山祭,冬祭などにみられる(霜月神楽)。また獅子頭(ししがしら)を御神体と仰ぎ,それを捧げて人家を訪ね,悪魔払いの祈禱舞を演じる風が,東北の山伏神楽や番楽,関東・関西の太神楽などにある。…

※「パナマ帽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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