パッシェンの法則
パッシェンのほうそく
Paschen's law
火花放電の開始電圧 (火花電圧) に関する法則で L. C. H. F.パッシェンが実験的に見出した。火花電圧 Vは気圧 Pと火花ギャップの長さ dとの積によって決るというもので,その関係はたとえば図のようになる。これをパッシェンの曲線という。気体の種類によってそれぞれ最小の火花電圧がある。
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法則の辞典
「パッシェンの法則」の解説
パッシェンの法則【Paschen's law】
「放電開始電圧は,気体の温度が一定ならば電極間距離(l)とガス圧力(p)の積の関数である」という経験法則.通常の室温大気においては放電開始電圧は pl=0.6Torr.cmのところで極小値をとる.
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世界大百科事典 第2版
「パッシェンの法則」の意味・わかりやすい解説
パッシェンのほうそく【パッシェンの法則 Paschen’s law】
気体が絶縁破壊する電圧,すなわち火花電圧に関する法則。平等電界の場合次のように表現される。〈気体の火花電圧は気体の密度とギャップの長さの積で定まる〉。気体の密度は圧力に比例し絶対温度に反比例するので,温度一定の条件では火花電圧は圧力とギャップ長の積の関数として定まる。不平等電界では単にギャップの長さのみを変えると電界分布が変化するので次のように表現する。〈電極形状やギャップ長の大きさを一様にn倍し,気体密度を1/n倍しても火花電圧は変わらない〉。
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