パストラナ(英語表記)Pastrana Arango, Andrés

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パストラナ」の意味・わかりやすい解説

パストラナ
Pastrana Arango, Andrés

[生]1954.8.17. ボゴタ
コロンビアジャーナリスト,政治家。大統領(在任 1998~2002)。1970~74年に大統領を務めた保守党のミサエル・パストラナ・ボレロの二男として生まれる。サン・カルロス大学で公法の学位を得たあと,アメリカ合衆国のハーバード大学で国際関係学修士号を取得。1980年代にはテレビキャスターとして活躍した。1982年ボゴタ市議会議員に当選後政界入りし,1988年ボゴタ市長に当選,民衆の意思で選ばれた最初の市長となり,1990年まで在任した。その後,上院議員を経て,1994年大統領選挙に初出馬するが,現職のエルネスト・サンペール大統領との決選投票僅差で敗れた。パストラナはその直後に,サンペールが麻薬密売組織から献金を受けているという政府高官の証言テープを世間に公表,大統領の麻薬資金疑惑を追及したが,政府の反感を買うこととなり,長い間国外生活を強いられた。4年後の 1998年,大統領選挙に再度出馬して勝利を収め,12年ぶりに保守党が政権を奪還した。パストラナは長年にわたるゲリラとの戦闘終結をはじめ,政治腐敗一掃,低迷する経済の立て直し,麻薬取引の撲滅を誓ったが,ゲリラとの和平交渉は失敗に終わり,景気も後退するなか支持率は低迷した。

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