パカ(英語表記)paca
Agouti paca

デジタル大辞泉 「パカ」の意味・読み・例文・類語

パカ(paca)

パカ科の哺乳類メキシコから南アメリカ分布。頭胴長60~80センチ。水辺森林にすみ、泳ぎがうまい。夜行性で、草食

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改訂新版 世界大百科事典 「パカ」の意味・わかりやすい解説

パカ
paca
Agouti paca

巨大なモルモットといった感のある哺乳類で,齧歯(げつし)目アグーチ科に属する。メキシコ中部からパラグアイに分布。体長65~80cm,尾長2~3cm,体重9kg前後。体はがんじょうで四肢が太く短い。頭部は幅広く,耳が小さく,吻(ふん)に太く長い触毛がある。前足に4指,後足に5指をもつ。体上面は茶と黒の毛が混生し,3~8列に白点が並び,下面は白色ないし黄白色。おもに森林の水辺に単独ですみ,夜行性で,日中はしばしば土穴に潜む。土穴は四肢と歯で掘ったり,他の動物が捨てたもので,ふつう深さ2mで長さは6m以上に達する。出入口は二つ以上あり,そこから四方通路がのびる。木の葉,小枝,根,種子,果実を食べる。妊娠期間約118日,ふつう1産1子で,年に2回出産するといわれる。飼育下での寿命は16年以上。

 外形がよく似たものに,コロンビアからボリビア高地にすむパカラナpacarana,Dinomys branickiiがあるが,体長73~79cmで,尾が長く約20cmある。類縁は遠く,齧歯目パカラナ科に属する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パカ」の意味・わかりやすい解説

パカ
ぱか
paca
[学] Agouti paca

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目パカ科の動物。メキシコ南部から、ブラジル南部やパラグアイにかけて分布し、キューバにも導入されている。樹木の茂った川岸湖沼の周辺に生息する。頭胴長60~80センチメートル、尾長2~3センチメートル、体重6~10キログラム。身体は頑丈で、四肢は短い。前足に4指、後足に5指がある。耳は小さく、頭は大きく頭骨の頬骨(きょうこつ)弓は横に大きく張り、共鳴室を形成している。体色は褐色から黒色で、体側には楕円(だえん)形の白色斑(はん)が4列並ぶ。夜行性で、水辺の斜面に巣穴を掘り、植物の茎葉、根、果実などを食べる。妊娠期間は118日で、早春に2子を産む。生まれた子は700グラムもあり、寿命は16年以上である。

[土屋公幸]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パカ」の意味・わかりやすい解説

パカ
Cuniculus paca; paca

齧歯目パカ科。体長 60~80cm。体はずんぐりしていて,前後肢が短い。前肢には4指,後肢には5指がある。体の地色は褐色または黒色を帯び,体上面には小さな白色斑の列が縦に並ぶが,体下面は白っぽいかまたは鈍黄色で斑紋はない。夜行性で,日中は山の傾斜地や大木の根もとなどにつくった穴の中にひそんでいる。地上生であるが,水中にもよく入り,泳ぎはうまい。敵に襲われると水中に逃げ込む。メキシコ中部から南アメリカのブラジルまで分布し,森林地帯にすむ。

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