パイシャーチー語(読み)パイシャーチーご(英語表記)Paiśācī

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パイシャーチー語」の意味・わかりやすい解説

パイシャーチー語
パイシャーチーご
Paiśācī

広い意味でのプラークリット語一つ。1世紀ないし2世紀にグナーディヤが書いた『ブリハットカター』 Bṛhatkathāという本に用いられていたといわれるが,現存せず,その引用後世の文法書などにみられるにすぎない。カシミール語などのダルド諸語につながりをもつと考えられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパイシャーチー語の言及

【ブリハット・カター】より

…古代インドの亡失した大説話集。作者グナーディヤGuṇādhyaの伝記,年代(3~7世紀の間)は明らかでない。10万頌の詩句から成り,パイシャーチーPaiśācī語という俗語で書かれたと伝えられ,バッツァ国のウダヤナ王の結婚と王子ナラバーハナダッタの冒険物語を枠物語とする説話集であったらしいが,原本は散逸して現存せず,サンスクリットで要約した改作本が数種伝わっている。改作本のうち最も有名なのはソーマデーバSomadeva(11世紀)の《カターサリットサーガラKathāsaritsāgara》で,18巻2万1388頌の美しいサンスクリットの韻文から成り,350種の興味ある物語を含んでいる。…

※「パイシャーチー語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android