バーダーミ石窟(読み)バーダーミせっくつ(英語表記)Bādāmi Caves

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーダーミ石窟」の意味・わかりやすい解説

バーダーミ石窟
バーダーミせっくつ
Bādāmi Caves

インド,カルナータカ州バーダーミにある6世紀中頃から7世紀中頃にかけて造営された石窟寺院。北斜面に4つの石窟があり,第1~3窟がヒンドゥー教窟,第4窟がジャイナ教窟。そのうち紀年銘 578年の第3窟が最も大きく,奥壁の中央小室は本尊を置く祠堂となっており,正面廊の左右壁にはビシュヌをはじめとする種々の彫刻が施されている。正面の列柱は丈の低い方形の柱身部分に豊富な装飾が施され,柱の正面を除く三方にはミトゥナ像肘木が使用されている。第1,2窟も第3窟と似た構造であるが,第1窟は奥の祠堂にリンガを祀ったシバ寺院。第4窟は7世紀中頃のもので,ジャイナ教窟としてはインドで最も古く,正面廊と広間と祠堂とで構成され,正面の柱がエレファンタ式である。

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百科事典マイペディア 「バーダーミ石窟」の意味・わかりやすい解説

バーダーミ石窟【バーダーミせっくつ】

インド,カルナータカ州北部にある石窟寺院。6世紀後半のヒンドゥー教窟と7世紀半ばのジャイナ教窟があり,いずれも長方形の列柱広間で,奥にリンガ(シバ神の象徴としての男根)をまつる小内陣がある。

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