バーゲンブック(読み)ばーげんぶっく(英語表記)bargain book

知恵蔵 「バーゲンブック」の解説

バーゲンブック

書籍雑誌再販制度によって出版者が指定した小売価格(定価)での販売が容認されている。その定価販売は、出版者と流通業者(出版取次会社や書店)とが再販契約(再販売価格維持契約)を交わして実施されるが、それは恒久的な契約ではなく、出版者の意思で臨機応変に定価を外し非再販にすることができる。発売時から定価販売してきた書籍、雑誌について出版者が非再販と決め、値づけを流通側に任せることを時限再販という。時限再販本は、バーゲンブック、自由価格本、謝恩価格本などと店頭やインターネット上で表示されている。なお、出版者が新刊の発売当初から非再販とし、値づけを流通側に任せることを部分再販という。公正取引委員会は、出版業界が再販制度をかたくなに守ろうとしていると何度も指摘し、時限再販本と部分再販本の市場を拡大するなど制度の弾力的運用を求め続けている。

(村上信明 出版流通ライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉 「バーゲンブック」の意味・読み・例文・類語

バーゲン‐ブック

《〈和〉bargain+book》値引きして販売される新品の書籍・雑誌。自由価格本。
[補説]出版社の意思で値引きしたものをいう。書籍・雑誌は原則として、再販制(再販売価格維持契約)により販売価格が指定されており、小売店側が独自に値引きすることはできない。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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