バントゥー族(読み)バントゥーぞく(英語表記)Bantu

世界大百科事典 第2版 「バントゥー族」の意味・わかりやすい解説

バントゥーぞく【バントゥー族 Bantu】

バントゥーというのは単独の部族をさすのではなく,バントゥー諸語に含まれる言語を話す人々の総称で,バントゥー語系諸族といってもよい。バントゥー諸語の分布は,アフリカ西部のカメルーンからアフリカ東部,さらにアフリカ南部までというように,アフリカ大陸の1/3という広い範囲に広がっている。その全体の人口は4500万,言語の数は600以上に分かれるという。バントゥーはおそらくナイジェリアとカメルーンの国境周辺のベヌエ川流域に起源地をもったが,紀元前に南東に移住し,コンゴ盆地の熱帯降雨林に入り込んだと考えられる。

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世界大百科事典内のバントゥー族の言及

【アフリカ】より

…アフリカは面積3030万km2,人口7億2036万(1996),面積ではアジアに次ぐ世界第2の大陸である。赤道をはさんで同心円状に,熱帯雨林,サバンナ,砂漠,地中海気候帯と多様な自然をもっている。サハラ砂漠をはさんで,北は西アジア・地中海世界とひとつづきのハム・セム系の文化をもつ白人(コーカソイド)が支配的な白人アフリカ,南は,ピグミーやコイサン(サン,コイ・コイン)の非黒人先住民と,おそらく北西部から移住拡散した黒人(ニグロイド)の世界,すなわち黒人アフリカである。…

【コンゴ民主共和国】より

…現在,ピグミーは北東部のイトゥリの森林のほか,各地に分散して居住している。その後バントゥー族が侵入し,1482年にポルトガルの航海者がコンゴ河口に到着したとき,大西洋沿岸には数々の諸王国が存在していたが,なかでもコンゴ王国は最盛期を迎えていた。当時のコンゴ王国は大西洋岸からクワンゴ川まで,今日のアンゴラ北部,ザイール西部,コンゴ人民共和国南部にかけて,広い領域を支配した。…

【ザンビア】より

…正式名称=ザンビア共和国Republic of Zambia面積=75万2614km2人口(1996)=971万人首都=ルサカLusaka(日本との時差=-7時間)主要言語=英語,ニャンジャ語,ベンバ語,ロジ語,カオンデ語,ルンダ語,ルバレ語,トンガ語通貨=ザンビア・クワチャZambian Kwacha南部アフリカの北辺にある共和国。旧イギリス領北ローデシアNorthern Rhodesia。北から時計回りにコンゴ民主共和国,タンザニア,マラウィ,モザンビーク,ジンバブウェ,ナミビア,アンゴラに囲まれ,海をもたない。…

※「バントゥー族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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