バンコマイシン耐性腸球菌(読み)バンコマイシンタイセイチョウキュウキン

デジタル大辞泉 の解説

バンコマイシンたいせい‐ちょうきゅうきん〔‐チヤウキウキン〕【バンコマイシン耐性腸球菌】

MRSAなどのグラム陽性菌に有効なバンコマイシンという抗生物質が効かない腸球菌日和見感染院内感染原因菌となることがある。VRE(vancomycin-resistant Enterococcus)。

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百科事典マイペディア の解説

バンコマイシン耐性腸球菌【バンコマイシンたいせいちょうきゅうきん】

抗生物質のバンコマイシンが効かない薬剤性耐性菌。VREともいう。1998年2月鶏肉から検出され,7月には日本で初めての死者が出た。 腸球菌は自然界に広く存在し,人間の腸内にも多くすみついている。健康な人には影響はないが,重病患者を治療する集中治療室や抵抗力の弱った老人が多い老人ホームなどでは,尿路などに日和見感染症を起こす問題菌である。腸球菌感染の治療には,通常ペニシリン系の抗生物質が効果的だが,ペニシリンに耐性をもつ腸球菌の場合には,バンコマイシンを利用する。しかし,この抗生物質が効かない菌が発生した。それが〈バンコマイシン耐性腸球菌〉である。

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知恵蔵 の解説

バンコマイシン耐性腸球菌

MRSA感染症の治療に使われる抗生物質(バンコマイシン)に対して、さらに抵抗性のある腸球菌。多くの抗生物質が効きにくく、治療は極めて困難。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

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