バロア(読み)ばろあ(英語表記)Valois

翻訳|Valois

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バロア」の意味・わかりやすい解説

バロア
ばろあ
Valois

フランス北部の地方名。パリ盆地に位置し、イル・ド・フランスの一部で、ソアソネ地方(中心都市ソアソン)の南西部にあたる。主としてオアーズ県東部と一部エーヌ県の南部を覆い、コンピエーニュの森を含むオアーズ川左岸の地域である。中心都市はクレピー・アン・バロアCrépy-en-Valois(人口1万4436、1999)。泥土質の台地からなり、穀物テンサイ、飼料用作物、野菜などが大規模な経営によって耕作される農業地帯。古くから伯爵領であったが、フィリップ2世時代の1214年フランス王国に併合された。フィリップ4世の弟シャルルがこの地を領してバロア伯となり、シャルルの息子フィリップ6世が男系の絶えたカペー朝を継いでバロア朝を建てた。

[高橋伸夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バロア」の意味・わかりやすい解説

バロア
Vallois, Henri-Victor

[生]1889.4.11. ナンシー
[没]1981.8.27. パリ
フランスの人類学者,古生物学者。パリの人類博物館館長,人類古生物学研究所所長などを歴任。ヨーロッパの人類学を代表する人物で,化石人類学に関する業績があるほか,ユネスコによる「人種および人種差の本質についての声明」 (1951) での座長をつとめた。 P.M.ブールとの共著の『化石人類』や,クセジュ文庫の『人種』 Les Races Humainesなどの名著がある。

バロア
Valois

フランス北部,イルドフランスのオアーズ川左岸に位置する古い地方名。中心地はクレピアンバロアでエーヌ県とオアーズ県の各一部にあたる。中心都市クレピーアンバロア。コムギ,テンサイ中心の大農場地帯で,近年都市化が進んでいる。フィリップ2世によって王領に併合された (1214) が,フィリップ3世が息子シャルルをバロア伯に封じ,その子フィリップ6世が王位につくに及んで王朝名ともなった。聖バンサン修道院など壮麗な鐘楼群でも知られる。

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