バレン(読み)ばれん

改訂新版 世界大百科事典 「バレン」の意味・わかりやすい解説

バレン (ばれん)

日本の木版画の刷具であるが,barenは国際語になっている。馬連,馬簾,波連などの当て字がある。朝鮮語のマーリョツ(馬のたてがみでつくった刷具)の転訛ともいわれるが,語源は不明。いつごろから用いられたかも不明であるが,江戸時代には常用されていた。薄い美濃紙あるいは雁皮紙を40枚ほど貼り合わせ,漆を塗った円板状の〈当て皮〉(直径20cmくらいまで大小ある)に,竹の皮で編んだこよりを渦巻状に巻いた円板を合わせ,しなやかにさせた竹の皮で包んだもの。製作には熟練を要する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバレンの言及

【ミュージカル映画】より


[本格的ミュージカル映画の時代へ]
 しかし,舞台のレビューをフィルムにうつした程度のミュージカル映画は観客をとらえつづけることができず,製作本数は1930年の70本から早くも翌31年には10本足らずに激減する退潮を示した。そのなかにあって,キング・ビダー(ビドア)監督のオール・ニグロ・キャストによる《ハレルヤ》(1929),エルンスト・ルビッチ監督で,モーリス・シュバリエとジャネット・マクドナルドのコンビによる《ラヴ・パレィド》(1930),同じコンビでルーベン・マムーリアン監督の《今晩は愛して頂戴ナ》(1932)が〈音〉の処理をめぐるトーキーの技法とともに,ミュージカル映画のスタイルそのものを前進させた。 そしてワーナー・ブラザースでバスビー・バークリー(バークレイ)の振付による《四十二番街》(1934)が,奔放なカメラワークによって音楽と視覚的イメージを華麗に結びつけ,〈フィルム・レビュー〉とか〈シネ・オペレッタ〉と呼ばれるものとは一線を画する新しいスタイルをつくりあげ,続いて〈ジャズ・ビート〉を持ち込んでタップ・ダンスを踊りの基礎にした《ゴールド・ディガース》(1933),《フットライト・パレード》(1933)によってバークリーならではの特色を示した。…

※「バレン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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