日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
バルマー(Johann Jakob Balmer)
ばるまー
Johann Jakob Balmer
(1825―1898)
スイスの数学者、物理学者。カールスルーエ大学とベルリン大学で数学を学んだのち、サイクロイドに関する研究で学位を取得。女子中等学校で教鞭(きょうべん)をとる一方、バーゼル大学の非常勤講師を務めた。
バルマーは数学というよりは、彼の名を冠した元素スペクトルの「バルマーの公式」で知られる。当初、元素スペクトルの規則性は音響学との機械的アナロジーから簡単な調和比になるとの意見が強かったが、1885年、水素のスペクトル系列の数学的構造を解析し、公式λ=hm2/(m2-n2)を得て、元素スペクトルの研究の典型を示した。なお、その数学的規則性はのちにボーアの原子構造論によって物理学的に解かれた。
[兵藤友博]
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