バルフォア(Francis Maitland Balfour)(読み)ばるふぉあ(英語表記)Francis Maitland Balfour

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

バルフォア(Francis Maitland Balfour)
ばるふぉあ
Francis Maitland Balfour
(1851―1882)

イギリスの動物学者。ケンブリッジ大学で発生学を専攻し、軟骨魚類とくにサメの発生を研究した。広い視野と該博な知識により、散在していた発生学の諸業績を総括し、比較発生学の見地から優れた著書を残した。C・R・ダーウィンの『種の起原』(1859)が発表され、発生学上から進化の裏づけをしようとする風潮のなかで、E・ヘッケル反復説生物発生原則)などに啓発されたバルフォアの業績は、その後の進化論確立と発展に大きく寄与した。アルプス登山中若くして墜死。政治家・哲学者でイギリス首相となったA・J・バルフォアは彼の兄である。主著に『板鰓(ばんさい)魚類の発生』(1878)、『比較発生学論』(1881)などがある。

[町田武生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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