日本大百科全書(ニッポニカ) 「バルデマー(4世)」の意味・わかりやすい解説
バルデマー(4世)
ばるでまー
Valdemar Ⅳ
(1320―1375)
デンマーク王(在位1340~75)。1340年の即位まで、父クリストファー2世の亡命など政治的混乱により大半をドイツ宮廷で過ごした。即位後は弱体化したデンマーク王権の再興を目ざし、46年シェラン島、53年ユトランド半島の大部分、さらに60年スウェーデン王マグヌスからスコーネを奪回、シュレスウィヒを除くほぼ全土を支配下に置き、その目的を達成した。翌年ヘズビュー遠征を行い、ゴトランド島を併合してハンザ同盟との関係を悪化させた。強引かつ容赦のない彼の政策に不満を抱くデンマーク貴族は、67~68年ハンザ諸都市やメクレンブルク公と同盟、圧倒的な勢力の前に彼は亡命を余儀なくされた。70年和約してハンザ同盟に大幅な譲歩を行い、71年に帰国、再度王権再興に努力した。
[牧野正憲]