バルチスターン独立運動(読み)バルチスターンどくりつうんどう(英語表記)Baluchistan Independence Movement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルチスターン独立運動」の意味・わかりやすい解説

バルチスターン独立運動
バルチスターンどくりつうんどう
Baluchistan Independence Movement

パキスタン南西部のバルチスターン州に潜行する独立運動で,パンジャービー主導型のパキスタン政治に反発して進められてきた。バルチスターンの主要民族バローチー族はその大部分がパキスタン内に,残りがアフガニスタンイランにいるとされる。 1960年代に「自由バルチスターン運動」の名で反乱を起したが,本格化したのは 70年代,特にバングラデシュ分離独立したあとである。パターン (パシュトゥーン) 人のパクトニスタン運動と協力して,73,74年にはかなり勢力を伸ばしたが,同年秋パキスタンの Z.A.ブットー政府が数万の兵を動員した鎮圧作戦を行い,勢力は衰えた。この運動を支持するアフガニスタンとパキスタンの関係が好転し,またイランがバルチスターンの開発援助に力を入れていることも,反乱派には不利であった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android