日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
バルザーニー(Masoud Barzani)
ばるざーにー
Masoud Barzani
(1946― )
クルド民族運動指導者。北部イラクを拠点とするクルド民主党(KDP)の創設者ムッラー・ムスタファ・バルザーニーの次男。イラン、アメリカなどの外部勢力を機会主義的に利用しようとするが不調。1987年の兄イドリスの死以降は単独でKDPを率いる。ジャラール・タラバニの率いるクルディスターン愛国同盟(PUK)と激しい主導権争いを展開。1991年の湾岸戦争後北部イラクでクルド人が決起し、1992年にKDPとPUKは共同でクルディスターン地域(クルド人自治区)政府を結成するが、1994年には再度対立し内戦に突入。1996年8月イラク軍の支援でアルビル市をPUKから奪還。1998年9月には、アメリカの仲介でPUK党首タラバニと会談、和解を発表した。イラク戦争後の2005年6月クルディスターン地域政府大統領に選ばれ、2009年7月再選。
[清水 学]
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