バリンジャー隕石孔(読み)バリンジャーいんせきこう(英語表記)Barringer crater

改訂新版 世界大百科事典 「バリンジャー隕石孔」の意味・わかりやすい解説

バリンジャー隕石孔 (バリンジャーいんせきこう)
Barringer crater

アメリカ合衆国アリゾナ州ウィンズロー近くの荒地の中にある世界で最も有名な隕石孔で,直径約1.2km,深さ180mである。この地方のインディアンの間では古くからその存在が知られていたが,白人に注目されるようになったのは19世紀末ころからで,その孔の周辺から大量の鉄隕石片が拾われたこと,その付近に火山性の物質が見あたらないことなどから大隕石の落下によるものとの推測が行われるようになった。特に20世紀の初めに鉱山師のバリンジャーD.M.Barringerがこの孔のまわりの土地を買い取り,熱心に調査を行ってその隕石成因説を主張したことからバリンジャー隕石孔(クレーター)と呼ばれるようになったが,単にアリゾナ隕石孔(クレーター)あるいは近くの峡谷の名からキャニオン・ディアブロ隕石孔(クレーター)と呼ばれることも多い。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「バリンジャー隕石孔」の意味・わかりやすい解説

バリンジャー隕石孔【バリンジャーいんせきこう】

アリゾナ隕石孔とも。米国,アリゾナ州ウィンズロー近くの砂漠中にある隕石孔。存在は古くから知られていたが,D.M.バリンジャーが隕石成因説を提唱したことからこの名がある。穴の直径1.2km,深さ180m。周辺部から合計約10tにのぼる数千の隕鉄片が発見されている。
→関連項目クレーター

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android