ハーバートソン(英語表記)Andrew John Herbertson

改訂新版 世界大百科事典 「ハーバートソン」の意味・わかりやすい解説

ハーバートソン
Andrew John Herbertson
生没年:1865-1915

イギリスの地理学者。ガラシールズに生まれ,オックスフォード大学を卒業後,ドイツのフライブルク大学学位を得,フランスでも学んだ。1891年,P.ゲッデスの下で助手となり,99年にはオックスフォード大学に移り,1910年,H.J.マッキンダーの後を継いで教授となった。初期には気候学や海洋学に関する業績が多くあり,その代表作は《降水分布》(1901)である。1904年には地質構造地形,気候に基づく世界の自然地域区分について講演を行った。これは翌年《世界の主要自然地域》の論文として発表され,当時大きな反響を呼んだ。

 総合的な世界の地域区分法を提示し,初めて世界の体系的な地域像の把握に貢献した。その地域概念は,地理学における近代的概念の確立に影響を与えた。また,地誌学については《Discriptive Geography》(1902-06),《The British Empire》6巻(1906-10)の著がある。バーソロミューの《Atlas of Meteorology》(1899)の編集も行っている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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