ハーマン(英語表記)Johann Georg Hamann

デジタル大辞泉 「ハーマン」の意味・読み・例文・類語

ハーマン(Johann Georg Hamann)

[1730~1788]ドイツのプロテスタント思想家。合理論啓蒙思想に反対し、信仰感情を重視する哲学を説いた。著「ソクラテス追憶」など。

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精選版 日本国語大辞典 「ハーマン」の意味・読み・例文・類語

ハーマン

(Johann Georg Hamann ヨハン=ゲオルク━) ドイツの詩人哲学者啓蒙主義の合理思想に反対し、ヤコービとともに信仰哲学を説いた。ドイツロマン主義の先駆者とされる。(一七三〇‐八八

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改訂新版 世界大百科事典 「ハーマン」の意味・わかりやすい解説

ハーマン
Johann Georg Hamann
生没年:1730-88

ドイツの哲学者,プロテスタント思想家。〈北方の賢者〉とも呼ばれ,啓蒙的合理主義がなお強い影響力をもつ時代のただ中にあって,それに対する徹底した批判を展開し,後のロマン主義や実存主義に連なる道を開いた。ケーニヒスベルクに生まれ,もとは商用で渡ったロンドンに滞在中決定的な回心を体験する。生地にもどって著作活動にたずさわるかたわら,カント斡旋で下級税務官吏の職につく。カントの理性批判の哲学にたいしては,普遍的概念に定位する理性の純粋主義を鋭く批判し,理性よりは具体的啓示の言葉に対する信仰による聴従の必要を説いた。詩は人類の母語であるとして,あくまでも生きた具体的言葉を尊重し,また自然をも含めた世界を徹底してできごとと歴史の相において見る行き方は,ヘルダー,F.H.ヤコビらに決定的影響を与え,ゲーテヘーゲルも彼を重んじた。ビーコと並んで今日再評価の機運の強い思想家である。
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百科事典マイペディア 「ハーマン」の意味・わかりやすい解説

ハーマン

ドイツの哲学者,宗教思想家。ケーニヒスベルク出身。その鬱然(うつぜん)たる学風から〈北方の賢者〉と称される(ちなみに〈南方の賢者〉はスイスの牧師ラファーター)。同郷のカントに代表される啓蒙的合理主義に真っ向から異を唱えて,生ける言葉と象徴とによる神との交わりの重要性を力説した。〈神は詩人であり,数学者にあらず〉。ヘルダー,F.H.ヤコビ,ゲーテ,ヘーゲルらに深甚な影響を与え,ビーコとともに再評価の気運が高い。
→関連項目シュトゥルム・ウント・ドラングヘルダーヤコビラーファター

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハーマン」の意味・わかりやすい解説

ハーマン
Hamann, Johann Georg

[生]1730.8.27. ケーニヒスベルク
[没]1788.6.21. ミュンスター
ドイツの哲学者。当時支配的であった啓蒙思想,合理主義の反対者として知られる。悟性では絶対者を把握することができないとして,カントの純粋悟性認識に反対して感情,体験のもつ創造力を重視し,独特の哲学を築いた。有名な『美学小論』 Aesthetica in nuce (1762) では,「詩は人類の母語」と述べている。彼の神秘主義的側面はドイツ・ロマン主義,キルケゴールらに影響を与え,また言語哲学分野にも与えた影響は大きい。主著"Biblische Betrachtungen eines Christen" (58) ,"Sokratische Denkwürdigkeiten" (59) 。

ハーマン
Herman, Woody

[生]1913.5.16. ミルウォーキー
[没]1987.10.29. ロサンゼルス
アメリカのジャズ・クラリネット奏者,楽団指揮者。 1932年 I.ジョーンズ楽団に参加,36年ジョーンズの引退とともに楽団を引継ぎ,43~44年に有能な新人を多数起用してビッグ・バンドを編成。 46年一時楽団を解散して小編成に切替えたが,49年以降再びビッグ・バンドを編成,晩年まで第一線で活躍した。 63,73,74年グラミー賞受賞。

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367日誕生日大事典 「ハーマン」の解説

ハーマン

生年月日:1879年5月29日
ドイツの美学者,美術史学者
1961年没

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