ハンテングリ山(読み)はんてんぐりさん

改訂新版 世界大百科事典 「ハンテングリ山」の意味・わかりやすい解説

ハン・テングリ[山]
Khan-Tengri

中央アジア,キルギスカザフスタン両共和国の境界をなす分水嶺上にそびえ,天山山脈中央部東寄りにある高峰中国国境は東およそ10kmにある。標高6995m。四壁に氷食をうけてマッターホルンのような四角錐ないし四角柱急斜面の上に頂上がある。この部分は変成をうけた石灰岩,すなわち大理石質のピークである。2500km2以上の氷河を懸けており,天山山脈最大のイヌイリチェク氷河(長さ59.5km)もここにある。初登頂は1931年,ソ連登山隊により行われた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンテングリ山」の意味・わかりやすい解説

ハンテングリ山
はんてんぐりさん / 汗騰格里峰

中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区中西部と、カザフスタン共和国キルギス共和国との国境にある山。天山山脈中央部のハルク山脈の西端、北緯42度13分、東経80度16分に位置する。標高6995メートル。6000メートル級の峰が多数集まる天山山脈でいちばん高い部分にあり、長大な氷河も多い。白銀に輝くピラミッド状の秀峰。19世紀なかばから探検家たちが接近を試みたが、1931年ソ連隊によって初登頂された。天山山脈の最高峰トムール峰(7443メートル)はこの山の南約20キロメートルにある。

[酒井敏明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンテングリ山」の意味・わかりやすい解説

ハンテングリ山
ハンテングリさん
Khan-Tengri

カザフスタン,キルギス両国の境界と中国の国境が交わるあたりに位置する高山。標高 6995mで,1943年南約 20kmにあるポベーダ峰 (7439m) が発見されるまではテンシャン (天山) 山脈の最高峰とされていた。斜面は大氷河 (総面積 2500km2) に覆われている。 1931年ソ連隊が初登頂。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android