日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハワード(Luke Howard)
はわーど
Luke Howard
(1772―1864)
イギリスの気象学者。ロンドンに生まれる。私立の学校卒業後、薬剤師の見習いをし、1793年にはロンドンに薬種店を開いた。子供のころから自然の観察を好み、11歳のとき、アイスランドのラキ火山噴火時に異常な様相を示した朝焼け・夕焼けを詳細に観察した。その後同志とともにアスケシア会Askesian Societyをつくり、自然観察について話し合った。1803年に、この会で「雲の形態変化について」を発表、これが現在使われている、巻雲(けんうん)、積雲、層雲、およびこれらを重ね合わせた10種雲級の基礎となった。1818~1820年に大著『ロンドンの気候』を発表、このなかでロンドンの気候に及ぼすテムズ川の影響、郊外と市内の温度差(ヒートアイランド現象)のあることを明らかにした。この点から都市気候学の先駆者と考えられている。
[根本順吉]
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