ハレルヤ(読み)はれるや(英語表記)hallelujah ヘブライ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハレルヤ」の意味・わかりやすい解説

ハレルヤ
はれるや
hallelujah ヘブライ語
hallelujah 英語
alleluja ラテン語
alleluja フランス語
alleluja イタリア語

ヘブライ語で「主をほめたたえよ」を意味する一種の歓呼。元来ユダヤ教の礼拝音楽の一つとして用いられていたが、4世紀にはすでにキリスト教教会に導入されていたようである。ローマ・カトリック教会の典礼ではラテン語化されてアレルヤと発音され、福音書(ふくいんしょ)の朗読に先だって歌われた。このアレルヤ唱には聖書の詩句が組み込まれ、先唱者と聖歌隊によって応答風に歌われた。またその結尾には、最後の母音であるaの音が長く引き伸ばされた装飾的な部分(ユビルス)がつけられた。アレルヤ唱の、このより自由な音楽的要素は、西洋音楽のその後の発展にとって重要な役割を果たした。ハレルヤの歌詞は、近代の芸術作品のなかでも用いられているが、なかでもヘンデルの作曲したオラトリオ『救世主(メサイア)』(1741)中の「ハレルヤ・コーラス」はもっともよく知られている。

[磯部二郎]

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デジタル大辞泉プラス 「ハレルヤ」の解説

ハレルヤ

アメリカのシンガー・ソングライター、ジェフ・バックリーの曲。アルバム「グレース」(1994年)に収録された曲。オリジナルはカナダのシンガーソング・ライター、レナード・コーエンが1984年に発表したアルバム「哀しみのダンス」に収録されていたもの。「ローリング・ストーン」誌が選ぶ最も偉大な500曲第264位。原題Hallelujah》。

ハレルヤ

1929年製作のアメリカ映画。原題《Hallelujah!》。キング・ビダー監督初のトーキー映画。出演:ダニエル・ヘインズ、ニーナ・メイ・マッキニー、ウィリアム・フォンテインほか。

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精選版 日本国語大辞典 「ハレルヤ」の意味・読み・例文・類語

ハレルヤ

〘名〙 (hallelujah 「主を賛えよ」の意) 旧約時代に、礼拝のおり、賛美に用いたヘブライ語の感嘆詞。後のキリスト教徒も用いる。また、それを発展させた合唱ミサ曲の歌唱形式。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

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デジタル大辞泉 「ハレルヤ」の意味・読み・例文・類語

ハレルヤ(hallelujah)

《主をほめ賛えよ、の意》旧約聖書詩篇で、神を賛美し、喜びを表す語。キリスト教会の聖歌・賛美歌に用いられる。アレルヤ。

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世界大百科事典 第2版 「ハレルヤ」の意味・わかりやすい解説

ハレルヤ【Hallelujah!】

1929年製作のアメリカ映画。キング・ビダー(ビドア)King Vidor(1894‐1982)監督のトーキー第1作。トーキーの到来とともに歌って踊れる〈新しいタレント〉として黒人が起用され,フォックスの《ハーツ・イン・ディキシーHearts in Dixie》(1929)に次いでつくられたMGMの〈オール・ニグロ・ミュージカル〉で,人道主義的な反戦映画《ビッグ・パレード》(1925)で注目されたビダーが,演出料を製作費に投資することを申し出て実現した野心作といわれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハレルヤ」の意味・わかりやすい解説

ハレルヤ

アレルヤ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典内のハレルヤの言及

【ミュージカル映画】より


[本格的ミュージカル映画の時代へ]
 しかし,舞台のレビューをフィルムにうつした程度のミュージカル映画は観客をとらえつづけることができず,製作本数は1930年の70本から早くも翌31年には10本足らずに激減する退潮を示した。そのなかにあって,キング・ビダー(ビドア)監督のオール・ニグロ・キャストによる《ハレルヤ》(1929),エルンスト・ルビッチ監督で,モーリス・シュバリエとジャネット・マクドナルドのコンビによる《ラヴ・パレィド》(1930),同じコンビでルーベン・マムーリアン監督の《今晩は愛して頂戴ナ》(1932)が〈音〉の処理をめぐるトーキーの技法とともに,ミュージカル映画のスタイルそのものを前進させた。 そしてワーナー・ブラザースでバスビー・バークリー(バークレイ)の振付による《四十二番街》(1934)が,奔放なカメラワークによって音楽と視覚的イメージを華麗に結びつけ,〈フィルム・レビュー〉とか〈シネ・オペレッタ〉と呼ばれるものとは一線を画する新しいスタイルをつくりあげ,続いて〈ジャズ・ビート〉を持ち込んでタップ・ダンスを踊りの基礎にした《ゴールド・ディガース》(1933),《フットライト・パレード》(1933)によってバークリーならではの特色を示した。…

※「ハレルヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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