ハル(Albert Wallace Hull)(読み)はる(英語表記)Albert Wallace Hull

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ハル(Albert Wallace Hull)
はる
Albert Wallace Hull
(1880―1966)

アメリカの物理学者、電気工学者。コネティカット州に生まれる。エール大学に学び、1914年ゼネラル・エレクトリック社(GE)に入る。1919年、真空管雑音除去のため遮蔽格子管(しゃへいこうしかん)をショットキーWalter Schottky(1886―1976)とは独立に発明した。1921年に磁界を併用したマイクロ波管である磁電管マグネトロン)、1932年に熱陰極グリッド制御放電管(サイラトロン)を発表するなど、電子管発達に大きな役割を果たした。1930年代には真空管のガラス封入に関する基礎研究がある。またX線回折による結晶解析の仕事でも知られ、デバイシェラーとは独立に粉末法を考案した(1917)。

[常盤野和男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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