ハーリヤーノシュ(英語表記)Háry János

デジタル大辞泉 「ハーリヤーノシュ」の意味・読み・例文・類語

ハーリ‐ヤーノシュ(Háry János)

コダーイオペラ。1926年初演ハンガリーの詩人ガライ=ヤーノシュの物語詩に登場するほら吹きの豪傑主人公とする喜劇。のちに作曲者自身により全6曲の管弦楽版に編曲された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハーリヤーノシュ」の意味・わかりやすい解説

ハーリ・ヤーノシュ
Háry János

ハンガリー人のガライ・ヤーノシュGaray Jánosによって書かれた物語詩《老兵》(1843)の主人公の名。実在した陶工であるが,ハプスブルク家のオーストリア帝国の支配下にあったハンガリーの,農民兵の一典型として,伝説的人物とされている。老いた退役兵ハーリ・ヤーノシュは,故郷の居酒屋で,若者たちを相手に兵役時代の話をほらをまじえて話す。ナポレオンと戦って勝った話,オーストリア帝国の皇帝フランツの妃にひと目ぼれされた話,七つ頭の竜を組み伏せた話など,ハンガリーの作曲家コダイは,この人物のほら話を楽劇として作曲した(初演は1926)。プロローグと四つの冒険,そしてエピローグから成る。この楽劇から管弦楽組曲に編曲しなおされたものもある。異国の戦場へ送られたハンガリー農民兵が,過酷な運命のなかで,たくましく楽天的に生きる姿が描かれている。
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