ハリカルナッソス(英語表記)Halikarnassos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリカルナッソス」の意味・わかりやすい解説

ハリカルナッソス
Halikarnassos

小アジア南西岸,カリアにあった古代ギリシアの都市。現トルコのボドルム。おそらく前 900年頃ペロポネソス半島のトロイゼン人によって建設された。歴史家ヘロドトスによればドーリス系都市であったらしいが,古典期のその文化はイオニア系であった。ペルシア戦争の時代にはアケメネス朝ペルシアの勢力圏にあったが,カリアの地方総督マウソロスが前 370年頃ここを首都とし,港や公共建造物を建設し,彼の死後墓廟マウソレイオンが建てられ,古代世界の七不思議の一つに数えられた。また,ヘロドトスの生地としても有名である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリカルナッソス」の意味・わかりやすい解説

ハリカルナッソス
はりかるなっそす
Halikarnassos

小アジアのカリア(現在のトルコ南西部)沿岸の古代都市。紀元前900年ごろドーリス人が建設したギリシア都市ではあるが、土着のカリア人の要素が強かった。歴史家へロドトスの出生地である。前5世紀なかばにペルシアに臣従する政権が倒れ、デロス同盟に加わり、アテネ海軍の要港となった。前362年ごろカリアの太守マウソロスの都となり、古代の七不思議の一つ「マウソロス陵墓」が建てられたが、遺跡はほとんど残っていない。

[篠崎三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉 「ハリカルナッソス」の意味・読み・例文・類語

ハリカルナッソス(Halikarnassos/Ἁλικαρνασσός)

小アジアにあった古代都市。現在のトルコ南西部の港町ボドルムに位置する。紀元前11世紀に古代ギリシャ人が築いた植民都市に起源し、前4世紀にカリア国の首都が置かれ、マウソロス王とその妻の墓所としてマウソロス霊廟が建造された。現在は、当時の劇場の遺跡などが残る。歴史家ヘロドトスの生地。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「ハリカルナッソス」の意味・わかりやすい解説

ハリカルナッソス【Halikarnassos】

小アジア,カリア地方の古代ギリシア植民市。現在名ボドルムBodrum(トルコ領)。ヘロドトスの生地。前900年ころトロイゼンによって建設されたらしい。前6世紀にリュディアのクロイソス王の,その後ペルシアの侵略を受けた。前468年にデロス同盟に参加するが,前5世紀末再びペルシアの支配下に入った。カリアのマウソロスは前370年ころここを首都とし,大城壁,港湾施設,霊廟(マウソレウム)などを建設したため,壮大な景観を誇る都市となった。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

ワールド・ベースボール・クラシック

メジャーリーグ機構、メジャーリーグ選手会が音頭をとってスタートした野球の世界一決定戦。2006年の第1回は16カ国が参加。4組に分かれて1次リーグを行い、各上位2カ国が米国に移って2リーグの2次予選、...

ワールド・ベースボール・クラシックの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android