ハナイバナ(読み)はないばな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハナイバナ」の意味・わかりやすい解説

ハナイバナ
はないばな / 葉内花
[学] Bothriospermum zeylanicum (J.Jacq.) Druce
Bothriospermum tenellum (Hornem.) Fisch. et Mey.

ムラサキ科(APG分類:ムラサキ科)の一年草または越年草。茎は高さ10~30センチメートル。葉は互生し、楕円(だえん)形で先は丸みを帯びる。3~12月、白色淡青色を帯びた5弁花を上向きに開く。丘陵から山地耕作地野原に生え、日本全土、アジア全域に分布する。名は、葉と葉の間に花が咲くことによる。ハナイバナ属は分果に短い突起を密生し、アジアに4、5種、日本に本種のみ分布する。

[高橋秀男 2021年7月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハナイバナ」の意味・わかりやすい解説

ハナイバナ
Bothriospermum tenellum

ムラサキ科の一年草または越年草で,アジア東部の温帯に広い分布をもち,丘や路傍に生える。茎は高さ 10~20cmで叢生し,基部は短く地にはう。葉は楕円形で長さ2~3cmになる。冬を除き一年中るり色の小花を次々につける。萼,花弁ともに5裂し,花冠は径 3mmぐらいで,下部は短い筒をなす。花穂先端は巻いていない。果実は4分果から成り,楕円形で長さ 2mmほどである。

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百科事典マイペディア 「ハナイバナ」の意味・わかりやすい解説

ハナイバナ

ムラサキ科の一〜二年草。日本全土,東アジア平地にはえる。茎は高さ10〜20cmで,長さ2〜3cmの長楕円形の葉を互生する。夏〜秋,茎の上部葉腋に,径2〜3mmのムラサキに似た淡青色の花をつける。花冠は5裂。果実は4個の小分果からなり,小さいこぶ状突起を密生する。

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世界大百科事典(旧版)内のハナイバナの言及

【キュウリグサ】より

…全草を中国や日本で民間薬として利用することがある。ハナイバナBothriospermum tenellum (Hornem.) Fisch.et Mey.は本種に似るが,花序には葉身が発達した葉があり,分果の表面には突起が密生する。日本全土に分布し,野原や道ばたに普通にみられる。…

※「ハナイバナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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