ハトロン紙(読み)ハトロンし(英語表記)patronen paper

精選版 日本国語大辞典 「ハトロン紙」の意味・読み・例文・類語

ハトロン‐し【ハトロン紙】

〘名〙 (patronenpapier Patronenpapier から) 化学パルプを用いた褐色の丈夫な紙。包装や事務用封筒などに用いられる。ハトロンクラフト紙
釜ケ崎(1933)〈武田麟太郎〉「褐色のハトロン紙の封筒が十枚ばかり」

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デジタル大辞泉 「ハトロン紙」の意味・読み・例文・類語

ハトロン‐し【ハトロン紙】

《〈オランダ〉patroonpapier(薬莢やっきょう用の丈夫な紙)から》薄茶色の丈夫な西洋紙包装紙や封筒用紙に使う。クラフト紙。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハトロン紙」の意味・わかりやすい解説

ハトロン紙 (ハトロンし)
patronen paper

片面つや出しした褐色のクラフト紙包装用紙なかロール紙に分類される。語源は明らかでないが,銃弾の薬きょうに使用していた紙がこの種の紙であり,ドイツ語でpatronen Papierと称していたことからハトロン紙またはパトロン紙と呼ぶようになった。紙寸法は約900mm×1200mmで,この判型をハトロン判という。封筒,軽包装に使用されたが,最近は消費が高級化してきて使用量が減少している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハトロン紙」の意味・わかりやすい解説

ハトロン紙
はとろんし
patron paper

おもにクラフトパルプ原料とする褐色片艶(かたつや)の紙。通常、ヤンキーマシンで抄造され、軽包装、封筒などに用いられる。パトロン紙ともいう。語源はドイツ語のPatronenpapier(薬莢(やっきょう)紙)といわれる。三尺×四尺(909ミリメートル×1212ミリメートル)に仕上げられ、第二次世界大戦前まで製造されていた。現在はほとんど製造されず、片艶クラフト紙、筋入りクラフト紙にとってかわられた。

[御田昭雄 2016年4月18日]

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百科事典マイペディア 「ハトロン紙」の意味・わかりやすい解説

ハトロン紙【ハトロンし】

化学パルプを原料とし,片面に光沢を付けた褐色のクラフト紙用途は軽包装用,封筒用紙など。語源は銃弾の薬莢に使われていたこの種の紙をドイツ語でpatronen Papierと称していたため。

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世界大百科事典(旧版)内のハトロン紙の言及

【美術館】より

…古代ローマではギリシアの美術品の収集が盛んに行われた。むろんこれは,皇帝,政治家など一部の富裕階層のみに可能なことで,コレクションそのものも彼らの美的趣味の反映というより,ステータス・シンボルとしての性格が強かったが,しかし一方では,今日でいうパトロンが登場してきたことは注目される。とくに前1世紀の貴族G.マエケナスは,今日でも芸術のパトロンの代名詞として使われるほど知られている。…

※「ハトロン紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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