ハゼ(沙魚)(読み)ハゼ(英語表記)goby

世界大百科事典 第2版 「ハゼ(沙魚)」の意味・わかりやすい解説

ハゼ【ハゼ(沙魚) goby】

スズキ目ハゼ科Gobiidaeに属する魚類の総称。世界で確認されている種類は約700種に達するといわれ,魚類の中で,一つの大きな系統群を形成している。おもに,熱帯から温帯域にかけて分布し,とくに東南アジア地域に多く見られる。日本国内でも約150種が生息する。その種数の大きなことから,その形態,生態ともに多岐にわたる。 生息域についても,一生を淡水域だけにすむもの(ドンコ(イラスト),カワヨシノボリ),成長するに従って淡水域と海水域を往来するもの(ヨシノボリ(イラスト),ウキゴリ(イラスト)),河口近くの汽水域にすむもの(マハゼ(イラスト),シロウオ(イラスト)),沖合の比較的深いところにすむもの(リュウグウハゼ,ヤミハゼ)などがある。

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世界大百科事典内のハゼ(沙魚)の言及

【生物群集】より

…藻のほうは安全なすみかを得ているし,動物のほうは藻の作用を借りて骨格をつくり上げ,その成長は著しく速くなっている。また,暖海沿岸の砂泥底にはテッポウエビ類とハゼ類がさまざまな組合せで,エビのつくった穴の中に共にすんでいて,ハゼが先に外敵を見つけて共に穴に隠れる。こういう例は広く協同cooperationと呼ばれ,とくに生理的な結びつきの大きいときは共生symbiosisの語の用いられることが多い。…

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