ハエカビ(蠅黴)(読み)ハエカビ(英語表記)Entomophthora muscae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハエカビ(蠅黴)」の意味・わかりやすい解説

ハエカビ(蠅黴)
ハエカビ
Entomophthora muscae

藻菌類虫生藻菌目ハエカビ科。イエバエその他のハエ類に寄生する。宿主体内でこの菌が生育するとハエは活動力を失い,水辺の植物の葉の裏などに止ったまま死ぬ。このとき菌糸は虫体の気門などから外に出て,その表面に菌糸層を生じ,これに分生子柄が密生して多核の分生子をつける。この分生子柄の弾性によって分生子は前方に射出され,ハエの体に当ると分生子は付着器を伸ばしたり,粘着性物質を出してキチン層に固着し,さらに機械的にそれを貫入する。この科の菌はいずれも昆虫類に寄生し,約 100種が知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android