日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハウスホーファー(Albrecht Haushofer)
はうすほーふぁー
Albrecht Haushofer
(1903―1945)
ドイツの詩人、劇作家。ミュンヘン生まれ。ベルリンで地政学の教授の職にあり、イギリスに亡命したナチス幹部、ヘスの下で外務省参与をも兼ねたこともあった。ヒトラー暗殺を企てた1944年7月事件に加わっていたかどで敗戦直前に逮捕され、処刑された。文学者としては34年以来もっぱら劇作に手を染め、ローマ時代に題材をとった『スキピオ』(1934)、『アウグストゥス』(1939)で鋭利な時代批評を行った。死の直前の『モアビート十四行詩(ソネット)』(1946没後刊)は、反ナチス文学の精髄とされる。
[飯吉光夫]