ハインリヒ(2世)(読み)はいんりひ(英語表記)Heinrich Ⅱ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハインリヒ(2世)」の意味・わかりやすい解説

ハインリヒ(2世)
はいんりひ
Heinrich Ⅱ
(973―1024)

ザクセン朝最後のドイツ国王(在位1002~24)。オットー3世が子供を残さず夭逝(ようせい)したため、又従兄(またいとこ)でバイエルン大公のハインリヒ王位を継いだ。「ローマ帝国の復興」を夢みたオットー3世のユートピア的政策に対し、ハインリヒはふたたびドイツに根を下ろしたじみな政策に立ち返り、国内諸侯の独立化を抑え、王権の強化に努めた。対外的には、ポーランドの大公ボレスラフ・クロブリイの拡大政策に対抗し、異教徒のリウティツ人と同盟してマイセン辺境伯領の喪失を防ぎ、対内的には、バンベルク司教座を新設して、新しい文化的・宗教的中心をつくりだしたほか、ゴルツェ修道院に指導される教会改革運動を援助し、教会を王権の支柱とするザクセン朝の帝国教会政策をいっそう推進した。

[平城照介]

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旺文社世界史事典 三訂版 「ハインリヒ(2世)」の解説

ハインリヒ(2世)
Heinrich Ⅱ

973〜1024
ザクセン朝最後の神聖ローマ帝国皇帝(在位1002〜24)。聖者王(der Heilige)とも呼ばれる
3回のイタリア遠征(1004,14,21〜22)を行ってイタリア王位を得,またポーランドとも争った。内政では帝国教会政策をとり,聖者に列して聖者王の名を得た。

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