ハイファ(英語表記)Haifa

デジタル大辞泉 「ハイファ」の意味・読み・例文・類語

ハイファ(Haifa)

イスラエル北西部、地中海に臨む港湾都市イラクキルクーク油田パイプラインで結ばれて石油積み出し港として発展した。精油・自動車などの工業や商業が盛ん。

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精選版 日本国語大辞典 「ハイファ」の意味・読み・例文・類語

ハイファ

(Haifa) イスラエル北部、地中海に面する港湾都市。一九三四年、イラクのキルクーク油田とパイプラインが通じてから石油積出港として発展。イスラエル建国後はテル‐アビブと並ぶ重化学工業都市海軍基地がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハイファ」の意味・わかりやすい解説

ハイファ
Haifa

イスラエル北西部,地中海に臨む大港湾都市。ハイファ地方の行政中心都市でもあり,カルメル山麓からアコー湾の南端までに位置する。タルムードのなかに最初に記述され,ビザンチン時代にはシカミノスと呼ばれた。十字軍遠征当時は重要な軍事基地であったが,1191年エジプトのサラディンに破壊された。1799年ナポレオンに,1839年エジプトのイブラヒム・パシャに占領された。1948年のイスラエル建国のときには,アラブ軍との間の激しい戦場となった。イスラエル屈指の主要港で,国の輸出入の大半を扱い,海軍基地でもある。市街は狭い海岸平野から山腹斜面,さらにカルメル山上にかけて広がり,波止場の周辺には商業地区,低地には行政諸官庁,学校,博物館などがある。高地には新しい住宅街,カルメル山の斜面には金色のドームをもつギリシア聖堂,ペルシア風庭園などがある。バハーイ教の本部をはじめ教団関連施設も多く,2008年「ハイファおよび西ガリラヤ地方(→アコー)のバハーイ教聖地群」として世界遺産の文化遺産に登録された。おもな工業は,製鋼食品加工造船,化学,繊維セメントなどであるが,エーラトからパイプラインで送られてくる石油の精製も行なわれている。人口 26万7000 (2006推計) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハイファ」の意味・わかりやすい解説

ハイファ
Haifa

イスラエルの地中海岸にある港湾・工業都市。人口26万8300(2004)。アラビア語ではハイファーḤayfā。背後にカルメル山地が迫るハイファは,約26km南方に古くから栄えたアッカー(アッコ)港があったため,港としての重要性はほとんどなかった。ところが19世紀に登場した汽船が,アッカーの狭い自然港に入港できなくなったこと,1905年にハイファとダマスクス間に鉄道が開通したことから,ハイファは重要港となり,33年には近代的港湾施設が建設された。さらに34年にはイラクのキルクークからの送油管が敷設され,精油所のほか,セメント,食品などの工業が興ってハイファ市は大きく発展した。第2次大戦直後の人口はアラブとユダヤ人がほぼ同数であったが,第1次中東戦争(1948-49)の結果アラブのほとんどが追われ,以後ユダヤ人の都市として急速に近代化と膨張を遂げた。現在ではテルアビブと並ぶイスラエル最大の工業地帯であり,とくに重化学工業が盛んである。カルメル山地に広がる市街地は美しい風景に恵まれ,イスラエル工科大学(テクニオン),ハイファ大学,海洋博物館などの教育・文化施設も多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハイファ」の意味・わかりやすい解説

ハイファ
はいふぁ
Haifa

パレスチナ北部の港湾都市。地中海に突出したカルメル山地北端に位置する。人口は25万2300(1995)、28万2364(2018推計)で、イスラエル支配地域ではエルサレム、テル・アビブに次いで第3位である。20世紀になってユダヤ人入植者が急増し、ダマスカス、ベイルート、スエズへの鉄道が建設され、イラクのキルクーク油田とパイプラインで結ばれてから急速に発展した。イスラエル建国後は鉄道やパイプラインは閉鎖されたが、現在は柑橘(かんきつ)類、セメント、せっけんなどの輸出港として、また石油、鉄鋼、機械、化学などの重化学工業基地として発展している。ほかに、工科大学、バハーイ教本部、海軍基地などがある。

[高橋和夫]

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百科事典マイペディア 「ハイファ」の意味・わかりやすい解説

ハイファ

イスラエル北部,カルメル山の北麓,地中海に臨む港湾都市。近代的な精油所や,鉄道,自動車の修理工場,ダイヤモンド研磨,紡績,肥料,セメント,石鹸などの工場があり,イスラエル最大の工業都市の一つ。貿易港でもある。イスラエル建国後発達した都市で,住民もアラブ人は第1次中東戦争で追われ,今はユダヤ人に変わっている。27万300人(2011)。

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