ノルデンシェルド(Nils Erland Herbert Nordenskiöld)(読み)のるでんしぇるど(英語表記)Nils Erland Herbert Nordenskiöld

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ノルデンシェルド(Nils Erland Herbert Nordenskiöld)
のるでんしぇるど
Nils Erland Herbert Nordenskiöld
(1877―1932)

スウェーデンの民族学者。探検家アドルフ・ノルデンシェルドの子。動物学を専攻したのち、南アメリカの各地で考古学・人類学研究を行った。主著『比較民族誌研究』10巻(1918~1938)では、グラン・チャコ地域のインディオやクナ人など南米諸民族の文化パターンを、おもに環境と諸地域間の文化伝播(でんぱ)による要因から検討した。スペイン語、ポルトガル語の記録と彼自身の発掘資料と現地調査の結果から南米諸民族の物質文化、借用語などの文化要素を分析し、それらの地理的分布ドットで表示する方法を開拓し、文化の歴史的伝播関係の再構成を目ざした。オセアニア地域から南米大陸への伝播説を退け、伝播地域を過度に拡大してとらえてゆくドイツ・オーストリア学派の文化圏説に対しては批判的であった。

[宮坂敬造 2018年12月13日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android