ノイマン(Franz Neumann)(読み)のいまん(英語表記)Franz Neumann

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ノイマン(Franz Neumann)
のいまん
Franz Neumann
(1900―1954)

アメリカの政治学者。ポーランド南部カトビーツェでユダヤ系ドイツ人職人の子に生まれる。ライプツィヒ大学などで学び、1927年よりベルリンの労働問題担当弁護士となり、その後ドイツ社会民主党法律顧問。1933年5月ナチス政府によってドイツ国籍を剥奪(はくだつ)され、ロンドン亡命。1936年ロンドン大学でラスキの下で政治学の学位を取得後、同年アメリカに移り、市民権取得。社会調査研究所でまとめた『ビヒモス――ナチズム構造実際』(1942)はファシズムの優れた研究書として国際的な評価を得る。アメリカ政府のドイツ問題顧問を経て、1950年からコロンビア大学公法・政治学教授のかたわらベルリン自由大学創立に参画、旧西ドイツにおける「批判的政治学」の確立に貢献する。スイスで自動車事故により死去

[安 世舟]

『岡本友孝・小野英祐・加藤栄一訳『ビヒモス――ナチズムの構造と実際』(1963・みすず書房)』『ノイマン著、内山秀夫・三辺博之他訳『民主主義と権威主義国家』(1971・河出書房新社)』

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