ネップ(NEP)(読み)ネップ

百科事典マイペディア 「ネップ(NEP)」の意味・わかりやすい解説

ネップ(NEP)【ネップ】

新経済政策戦時共産主義に代わり1921年以降,資本主義から社会主義への過渡期ソ連レーニン指導下にとられた経済政策。全農産物徴発制を食糧税に変え,余剰の自由販売を認め,個人の小企業を許可するなど一連の資本主義的要素が一時的に復活されたが,ソビエト権力の指導で次第に社会主義経済にひきいれられ,1928年からの第1次五ヵ年計画基礎となった。
→関連項目ゴスバンクジノビエフソビエト連邦ブハーリンレーニンロシア革命

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ネップ(NEP)」の解説

ネップ(NEP)
Novaia ekonomicheskaia politika

1921年3月ソ連で採用された新経済政策略称戦時共産主義の政策が農民の強い不満を呼んだことから,クロンシュタット反乱の起こった際,開会中の第10回党大会で,レーニンの提案により採択された。内容は穀物徴発制を廃止し,食糧税制に移行することによって農民の手元に残る穀物を自由に処分することを許すこと,これに伴い私営商業,小企業の開設を認めること,である。農民の不満を和らげ,小農経営の復興を図り,都市と農村の商品交換を通じて国民経済の復興を達成したことにその意義があった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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