ネグロス島(読み)ネグロストウ(英語表記)Negros Island

デジタル大辞泉 「ネグロス島」の意味・読み・例文・類語

ネグロス‐とう〔‐タウ〕【ネグロス島】

Negros Island》フィリピン中央部、ビサヤ諸島西部の島。フィリピン群島中、4番目に大きい。南北に細長く、脊梁せきりょう山脈東西に分け、東ネグロス州と西ネグロス州で構成される。カンラオン山などの火山がある。同国で最も砂糖の生産量が多い。中心都市は、北西岸バコロドと南東岸のドゥマゲテ

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改訂新版 世界大百科事典 「ネグロス島」の意味・わかりやすい解説

ネグロス[島]
Negros Island

フィリピン中部,ビサヤ諸島中の島。セブ島とパナイ島にはさまれ,面積1万2600km2,同国で4番目に大きい。人口275万(1980)。行政的には東・西2州に分かれる。島の主軸に沿って南北に走る脊梁山脈(最高峰は標高2465mのカンラオン火山)が東岸と西岸に大きなコントラストを与えている。東岸部は山地が海岸まで迫って平地に乏しく,モンスーンによる雨も少ない(東ネグロス州の州都ドゥマゲテDumagueteの年降水量は1445mm)。一方,西岸部と北岸部は火山のすそ野が長く海岸までのびて肥沃土壌に覆われ,南西モンスーンの影響で顕著な雨季がみられる(西ネグロス州の州都バコロドBacolodの年降水量は2248mm)。19世紀後半から西岸部一帯でサトウキビ農園の開発が進み,今では全国生産の3~4割を生産する一大砂糖生産地となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネグロス島」の意味・わかりやすい解説

ネグロス島
ネグロスとう
Negros Island

フィリピン,ビサヤ諸島西部にある島。面積1万 2710km2で,同国で4番目に大きい。東岸寄りにカンラオン山 (2465m) を最高峰とする脊梁山地があり,南部は台地が占める。東岸,南岸は小平野が断続するが,西部から北部はゆるやかな丘陵地,沖積地が連なる。全島が火山性土壌におおわれて肥沃。西部は南西モンスーンの影響で雨季と乾季があり,東部は年間を通じて降水をみる。西部から北部の平野にはサトウキビの大農園が広がり,近代的な製糖工場もあって,同国の粗糖の約 50%を産する。そのほかトウモロコシ,米,コプラ,バナナ,パパイヤ,マンゴーなどを産する。山地や台地は森林資源が豊富で,海岸の町には製材工場をもつものが多い。行政的には周辺にある 97の小島とともにネグロスオクシデンタル州ネグロスオリエンタル州に分れ,前者はヒリガイノン語,後者はセブアノ語圏に属する。人口 316万 8000 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネグロス島」の意味・わかりやすい解説

ネグロス島
ねぐろすとう
Negros

フィリピン中部、ビサヤ諸島南西の島。南北200キロメートル、幅90キロメートル、面積1万2600平方キロメートルで、同国では四番目に大きい。人口325万1000(2000)。島の南北に脊梁(せきりょう)山脈が走り、東海岸と西海岸を画然と分ける。火山活動も盛んで、最高点はコニーデ型のカンラオン火山(2465メートル)。北・西部には肥沃(ひよく)な平野が広がり、米、タバコなどのほか、全国生産量の3~4割に達するサトウキビを産する。東岸にはセブ、ボホール系住民が、西岸にはバナイ系住民が、また山地にはネグリトが住む。中心都市はバコロド、ドゥマグエテなど。

[別技篤彦]

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