ヌウチ(読み)ぬうち

日本歴史地名大系 「ヌウチ」の解説

ヌウチ
ぬうち

アイヌ語に由来する地名。「蝦夷巡覧筆記」にヌツチ崎とみえ、烽火(盛根五間四方、高さ二丈)が置かれていた。「西蝦夷地日記」にヌツチとあり、天保郷帳ではヨイチ持場のうちとしてヌウチと記される。一八二二年(文政五年)のヨイチ場所引渡一件(林家文書)に「ヌツチ出張番屋一軒 春漁の節は番人二人 三半船一艘 持府船一艘 網六十放」とある。三二年(天保三年)の書上物(同文書)に「ヌウチ村」とみえ、春漁小家一・茅蔵一・蝦夷家五。「蝦夷日誌」(二編)にヌウシまたはヌウチとみえ、「浜小屋多く(中略)髪結処、料理屋、小間物屋等有」という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報