ニューラナーク(英語表記)New Lanark

デジタル大辞泉 「ニューラナーク」の意味・読み・例文・類語

ニュー‐ラナーク(New Lanark)

スコットランド南部、グラスゴー南東約40キロメートルにある産業遺跡。19世紀初頭に社会主義者ロバート=オーエンが綿紡績工場操業を始め、労働者住宅学校などの環境を整え、理想的な産業コミュニティーをつくろうとしたもの。現在は工場施設などが見学できるように整備されている。2001年、世界遺産文化遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニューラナーク」の意味・わかりやすい解説

ニューラナーク
New Lanark

イギリスの空想的社会主義者 R.オーウェンが,1799~1829年に人道主義の理想に基づく進歩的工場経営を行なった紡績工場の名称。オーウェンはマンチェスターで木綿紡糸工場を創設し,1794~95年コールトン撚糸会社を経営,その成功によって 1799年 D.デールからグラスゴー近郊のニューラナーク工場を買い取り,共同経営者とともに営利企業の枠をこえた経営管理を試みた。しかし 1829年共同経営者と内紛を起こし,その結果オーウェンはニューラナークから手を引いた。現在も工場や居住区の建物群が残っている。 2001年世界遺産の文化遺産に登録。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ニューラナーク」の解説

ニューラナーク
New Lanark

スコットランドのラナーク近郊の地。1800年,オーウェンがこの地に大紡績工場を経営し,世界最初の保育所をはじめ,労働者のための福利施設を完備した。そのため,社会改良メッカとして当時有名になった。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ニューラナーク」の解説

ニューラナーク
New Lanark

イギリスのスコットランドにある地名で,1800年ロバート=オーウェンが大紡績工場を設立したことで有名
工場は2000人を擁する近代的大工場で,25年間にわたり,利潤追求を排し,近代的福祉思想にもとづいた経営が行われた。

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世界大百科事典(旧版)内のニューラナークの言及

【ラナーク】より

…また13世紀にはイングランドからの独立闘争を開始したW.ウォーレスが近くの洞穴に隠れ住んだ。南郊にあるニューラナークは,1800年から約25年間R.オーエンが紡績工場で社会主義を実践したことで知られる。【長谷川 孝治】。…

※「ニューラナーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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