ニューフランス会社(読み)ニューフランスかいしゃ(英語表記)Compagnie de la Nouvelle France

改訂新版 世界大百科事典 「ニューフランス会社」の意味・わかりやすい解説

ニューフランス会社 (ニューフランスかいしゃ)
Compagnie de la Nouvelle France

1627年,フランス首相リシュリューの提唱により設立。100人の株主を募集し,彼らにニューフランスにおける15年間の毛皮取引の独占を与える代償に,4000人の植民者を送り込み,布教活動を支える財源を負担させた。しかしニューフランス会社による植民は,最初の2船団がイギリスに捕獲されたことからつまずき,1663年会社への特許状が廃されたときにも2500人がニューフランスに居住したにすぎなかった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニューフランス会社」の意味・わかりやすい解説

ニューフランス会社
ニューフランスがいしゃ
Compagnie de la Nouvelle France

1627年フランスの北アメリカ植民地ニューフランス振興のため,宰相リシュリューが創設した植民会社。 100人の株主を集めたので,「百人会社」とも呼ばれる。会社には,ニューフランスとアカディアにおける毛皮交易の 15年間の独占権が与えられ,そのかわりに総計 4000人の移住者を送り込み,植民地統治を行い,カトリック教会の活動を支援することがまかされた。しかし発足直後の 29年ケベックがイギリス軍に占領されるなどの事態が生じて植民地経営には障害が多く,ニューフランス会社は設立当初の目的を達成しえなかった。その間さまざまな民間会社に権利を貸すなどしたあげく,63年会社への特許状が廃止されたが,その際ニューフランスの人口はわずか 2500人であったという。

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