ニトロメタン

化学辞典 第2版 「ニトロメタン」の解説

ニトロメタン
ニトロメタン
nitromethane

CH3NO2(61.04).クロロ酢酸亜硝酸ナトリウムとを加熱するか,ヨウ化メチル亜硝酸銀を作用させると得られる.無色液体.融点-29 ℃,沸点101.2 ℃,46.6 ℃(13.3 kPa),27.5 ℃(5.3 kPa).1.1322.1.3806.水に難溶,エタノール,エーテル,ジメチルホルムアミドに可溶.水溶液酸性を呈する.ニトロン酸としてアルカリ金属と塩をつくり,爆発性の固体となる.溶剤ロケット燃料,界面活性剤,医薬品原料などに用いられる.有毒である.[CAS 75-52-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニトロメタン」の意味・わかりやすい解説

ニトロメタン
にとろめたん
nitromethane

脂肪族ニトロ化合物の一つ。無色の液体。水に約9%溶け酸性を示す。有機溶媒に易溶、金属塩は爆発性がある。蒸気も液体も有毒で、貧血や神経系、肝臓、腎臓(じんぞう)の障害をおこす。プロパンの気相ニトロ化により工業的に生産される。

 ロケット推進薬、タンパク質や高分子化合物の溶媒、殺菌剤などの合成原料として用いられる。

[加治有恒]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニトロメタン」の意味・わかりやすい解説

ニトロメタン
nitromethane

化学式 CH3NO2 。種々の製法があるが,実験室ではヨウ化メチルに亜硝酸銀を作用させてつくる。無色,酸性の液体。沸点 101.2℃。アルカリと塩をつくる。この塩は容易に爆発する性質をもつ。ロケットの燃料ゼイン (蛋白質一種) の溶媒,有機反応の試薬などとして用いられる。有毒である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉 「ニトロメタン」の意味・読み・例文・類語

ニトロメタン(nitromethane)

ニトロ化合物の一。無色の液体。水溶性。工業的にプロパン硝酸を加熱してニトロ化することで生産される。アルカリ金属とのは爆発性がある。ドラッグレースなどのモータースポーツの燃料として用いられる。化学式CH3NO2

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「ニトロメタン」の意味・わかりやすい解説

ニトロメタン【nitromethane】

クロロホルムに似たかなり強い臭気をもつ無色の液体で,化学式CH3NO2。融点-28.37℃,沸点101.25℃。エーテル,アルコール,四塩化炭素,芳香族炭化水素によく溶けるが,脂肪族炭化水素にはあまり溶けない。水に少し溶け,また水もニトロメタンに少し溶ける。水溶液はリトマス試験紙で酸性を呈する。構造としては,微量に存在するアシニトロ型(イソニトロ型)との互変異性を示す(ニトロ化合物)。したがって水酸化アルカリと反応しアシニトロ型の爆発性のアルカリ塩を生ずる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

エルニーニョ現象

《El Niño events》赤道付近のペルー沖から中部太平洋にかけて、数年に1度、海水温が平年より高くなる現象。発生海域のみならず、世界的な異常気象の原因となる。逆に海水温が下がるラニーニャ現象も...

エルニーニョ現象の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android