ニトロセルロース火薬(読み)ニトロセルロースカヤク

化学辞典 第2版 「ニトロセルロース火薬」の解説

ニトロセルロース火薬
ニトロセルロースカヤク
nitrocellulose powder

無煙火薬の一種で,ニトロセルロースを基剤とする火薬をニトロセルロース火薬,またはシングルベース火薬という.ニトロセルロースをアセトンエーテル,アルコールなどの揮発性溶剤でこね合わせ,のちに成形して製造する.通常,ニトロセルロースは強綿薬と弱綿薬を配合してアルコールを加えて駆水した後,エーテル-アルコール,ジフェニルアミン硫酸カリウムなどを加えてこね合わせ,圧伸または圧延裁断し,温洗表面膠(こう)化,光沢ふるい分け,風さらし,混同にしてのちに収函(かん)して製品とする.ニトロセルロース火薬,すなわちシングルベース火薬のほかにニトログリセリンとニトロセルロースの2成分よりなるダブルベース火薬,ニトログリセリン,ニトロセルロース,ニトログアニジンの3成分を基剤とするトリプルベース火薬の3種類の無煙火薬がある.[別用語参照]綿薬

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android