ニトラ(読み)にとら(英語表記)Nitra

デジタル大辞泉 「ニトラ」の意味・読み・例文・類語

ニトラ(Nitra)

スロバキア西部の都市。ゾボル山の麓、ニトラ川沿いに位置する。9世紀にスラブ人のプリビナ公によりニトラ公国が建てられたが、大モラビア王国に併合。11世紀よりハンガリー王国の支配下となり、13世紀まで政治的・宗教的に重要な都市として栄えた。11世紀創建のニトラ城がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニトラ」の意味・わかりやすい解説

ニトラ
にとら
Nitra

スロバキア西部、ニトラ県の県庁所在地。人口8万7285(2001)。ドナウ流域平野北東部、ゾボル山の麓(ふもと)のニトラ川河畔に位置する。828年、スラブ人のプリビナ公によって、スロバキア初めての教会が建てられた。9世紀におこった大モラビア国の中心的都市の一つとされる。11世紀から13世紀にかけてはハンガリー王国の政治、宗教の重要拠点として栄えるが、その後、いくつもの戦乱の舞台となって凋落(ちょうらく)した。11世紀に起源をもつニトラ城にはゴシック様式聖堂と司教邸がある。おもな工業は農産物加工、食品、プラスチック生産加工など。農業大学、教育大学、ブラチスラバのコメンスキー大学神学部がある。

[木村英明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニトラ」の意味・わかりやすい解説

ニトラ
Nitra

ドイツ語ではノイトラ Neutra。スロバキア南部の都市。ブラチスラバの東北東約 70km,ドナウ川の支流ニトラ川にのぞみ,西スロバキアの一中心地をなす。食品工業で知られ,周囲肥沃な農業地域でブドウなどを産する。 830年に創設されたキリスト教聖堂は,スロバキアに現存する最古のものであり,9世紀以後,ニトラはローマ教会の司教所在地であった。先史時代からの居住地としても知られ,旧石器時代などの発掘品もある。人口8万 9888 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android