日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ニコライ(Carl Otto Ehrenfried Nicolai)
にこらい
Carl Otto Ehrenfried Nicolai
(1810―1849)
ドイツの作曲家、指揮者。喜歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』の作曲者として有名。ケーニヒスベルクの作曲家の息子として生まれたが、家出し、ベルリンでツェルターに師事した。1833年ローマのプロイセン大使館礼拝堂オルガン奏者に就任、初めパレストリーナを研究するが、ベッリーニとの出会いからオペラの世界に入る。一時ウィーンで活躍するが、ふたたびローマに帰り、オペラ作曲家として名声を博したのち、41年ウィーン宮廷歌劇場楽長となり、42年、後のフィルハーモニー演奏会の基礎を確立、交響曲第九番をはじめとするベートーベン作品の演奏に努めた。48年ベルリン大聖堂指揮者兼王立歌劇場楽長に就任、翌49年、代表作『ウィンザーの陽気な女房たち』の初演に成功したが、2か月後、卒中で帰らぬ人となった。
[樋口隆一]
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