ニケ(読み)にけ(英語表記)Nike

翻訳|Nike

精選版 日本国語大辞典 「ニケ」の意味・読み・例文・類語

ニケ

(Nikē) ギリシア神話勝利女神。翼をもち棕櫚(しゅろ)の枝をたずさえた姿をしている。

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デジタル大辞泉 「ニケ」の意味・読み・例文・類語

ニケ(Nīkē)

ギリシャ神話の勝利の女神。ローマ神話ビクトリアにあたる。翼をもつ若い女神として描かれ、エーゲ海サモトラケ島出土の像はギリシャ美術傑作。→サモトラケのニケ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニケ」の意味・わかりやすい解説

ニケ
にけ
Nike

ギリシア神話の女神。ギリシア語で「勝利」を意味し、その擬人化されたもの。ローマ神話ではウィクトリアVictōriaという。ティタン神族のパラスの娘で、ゼロス(競争心)、クラトス権力)、ビア腕力)などの姉妹がいる。オリンポス神族がティタン神族と戦ったとき、母のスティクスはニケをはじめ子供たちを連れてゼウスに味方した。そのためゼウスは、喜んで彼らをオリンポスにとどめたという。ニケはしばしば女神アテネ臣従していると考えられたが、アテネの属性の一つがニケであったともいわれる。ギリシア各地に神殿があった。美術作品にも有翼の若い女神として描かれ、サモトラキ出土の像はとくに有名である。

[伊藤照夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「ニケ」の意味・わかりやすい解説

ニケ
Nikē

ギリシア神話で,〈勝利〉を擬人化した女神。ローマ神話ではウィクトリア。しばしば戦の女神アテナにつき従う。神殿では,アテナイ(アテネ)のアクロポリスアテナ・ニケ神殿(前424再建),彫刻では,1836年にサモトラケ島で発見された有翼のニケ像(前190ころ,ルーブル美術館蔵)が有名。ちなみにアメリカ陸軍の対空誘導弾ナイキは彼女の名を採ったものである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニケ」の意味・わかりやすい解説

ニケ
Nikē

ギリシア神話の女神。勝利を神格化した存在で,ヘシオドスによれば,ステュクスティタンのパラスと契って産んだ子の一人とされ,オリュンポスの神々とティタンたちが戦ったとき,母および他の兄弟姉妹たちとともに諸神にさきがけてゼウスに味方し,その功労によってゼウスと起居をともにする最も近しい従者になったというが,アテナと混同され,勝利の女神としてのこの女神の別称とされることも多い。ローマではウィクトリアと呼ばれた。

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百科事典マイペディア 「ニケ」の意味・わかりやすい解説

ニケ

ギリシア神話の勝利の女神。英語でナイキ,フランス語でニース。アテナの従者で,ローマ神話のウィクトリアと同一視される。翼をもった若い女の姿で表される。アテナイのアテナ・ニケ神殿,サモトラケ島出土の像は有名。
→関連項目サモトラキ[島]パイオニオス

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世界大百科事典(旧版)内のニケの言及

【ウィクトリア】より

…ローマ神話の勝利の女神。ギリシア神話のニケに相応する。起源は不詳だが共和政期からローマの象徴としてあがめられ,ユピテル,マルスなどと並んで祭られた。…

※「ニケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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