ニグロイド
Negroid
コーカソイド,モンゴロイドとともに人類の三大人種群を構成する。黒色人種ともいう。サハラ以南のアフリカに住むアフリカニグロ,ニューギニアやメラネシアに分布する大洋州ニグロ,アフリカ南部に追いやられたコイ族,サン族,アフリカからニューギニアにいたる赤道直下の熱帯降雨林内奥深くに点在する少数民族などがこのなかに含まれるが,これらは必ずしも共通の幹から由来するものとは考えられていない。ただ,共通する特徴として,皮膚の色が濃いため,皮下組織まで有害な紫外線が過剰に侵入せず,また発汗機能がすぐれているなど熱帯の暑熱に対する適応がすぐれている。一般に髪の毛は著しくちぢれ,毛は黒く,目の色も濃い。長頭で突顎であることが普通である。鼻は幅広く,突出しない。唇は厚い。体格はやせているものが多く,皮下脂肪はあまり厚くないのが一般的である。四肢は体幹に比して長い。
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ニグロイド
〘名〙 (Negroid) 形態的特徴によって分類された人種の一つ。主としてアフリカおよび
オセアニアなど赤道付近に集中して分布する。
黄褐色ないし
暗褐色の皮膚、少ない体毛、発達した
汗腺、毬状または
螺状の
毛髪などが共通の特徴。頭形、身長などの形質は群内で
変異に富む。アフリカニグロ、
エチオピア人種、
ブッシュマン、
ピグミー、オセアニアニグロなどに大別される。黒色人種。
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デジタル大辞泉
「ニグロイド」の意味・読み・例文・類語
ニグロイド(Negroid)
形態的特徴による人種の三大区分の一。皮膚の特徴は黄褐色から黒色、頭髪は縮れ、鼻は幅広い。アフリカ‐ニグロイド・エチオピア人種・コイサン・ピグミー・メラネシア人など。類黒色人種。ネグロイド。→コーカソイド →モンゴロイド
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世界大百科事典内のニグロイドの言及
【人種】より
…だから,このような厳密な定義をするよりも,種speciesが閉じたシステムであるのに対し,人種は種の中の開いた部分である,とする弾力性のある定義も便利である。 人類学では,コーカソイド大人種(白色人種),モンゴロイド大人種(蒙古人種),ニグロイド大人種(黒色人種)の三大人種を設ける伝統的分類に加えて,アボリジニーやベッダ族などからなるオーストラロイド大人種を第4の大人種とすることが多い。大人種は地理的人種とも呼ばれる。…
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