ナフード砂漠(読み)ナフードさばく(英語表記)al-Nafūd

改訂新版 世界大百科事典 「ナフード砂漠」の意味・わかりやすい解説

ナフード砂漠 (ナフードさばく)
al-Nafūd

アラビア半島の中北部に広がる砂漠。北はシリア砂漠,南はシャンマルShammar山地に接する。一般に,砂漠のうちとくに砂礫層が厚くひろがる種類のものをアラビア語でナフードと呼び,岩石を主体とするダフナー砂漠と区別し,とくにこのアラビア半島北部のものを大ナフード砂漠Ṣaḥrā'al-Nafūd al-kabīrと呼ぶ場合もある。ここでは冬季地中海からの風で若干の降雨があり,遊牧民の生活に不可欠な牧草には貴重な慈雨となる。半島南部の同様の砂漠(ルブー・アルハーリー砂漠)に対しては,ナフードのかわりに,リマールal-Rimāl(〈砂〉の意)と呼ぶ傾向がある。
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百科事典マイペディア 「ナフード砂漠」の意味・わかりやすい解説

ナフード砂漠【ナフードさばく】

ネフド砂漠とも。サウジアラビア北部の砂漠。北西ヨルダン北東イラクにまでのびる。標高1000m前後の高原台地をなし,赤色の砂からなる。5〜10mの高い砂丘が続き,その間に深いワジがある。植物一年生低木しか育たず,春にまばらな草原ができる。
→関連項目アラビア半島

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナフード砂漠」の意味・わかりやすい解説

ナフード砂漠
なふーどさばく
Nafud

サウジアラビア北部の内陸にある砂漠。ネフドNefud砂漠ともよばれる。東西約290キロメートル、南北約230キロメートル、面積は約6万4000平方キロメートルに達する。広く砂丘に覆われ、砂嵐(すなあらし)が頻発する。冬から春先にかけての降水期には草が芽生え、ヨルダンやイラクから移動してくる一部のベドウィン遊牧民)の放牧地となる。北西のジャウフと南東のハーイルの間を隊商路が縦断する。

[末尾至行]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナフード砂漠」の意味・わかりやすい解説

ナフード砂漠
ナフードさばく
An-Nafūd

アラビア半島北部を東西方向にやや細長く延びる砂漠。サウジアラビアの内陸北部を占める。少量の降雨がある冬季と春先には牧草が育ち,遊牧が行われる。東西約 290km,南北最大幅約 220km。面積6万 7300km2

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