ナショナル・ジオグラフィック(読み)なしょなるじおぐらふぃっく(英語表記)National Geographic

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ナショナル・ジオグラフィック
なしょなるじおぐらふぃっく
National Geographic

アメリカのナショナル・ジオグラフィック協会が1888年創刊した雑誌。創刊に先だって設立されたナショナル・ジオグラフィック協会は、多くの調査・探検プロジェクトを支援する世界有数の非営利科学・教育団体である。初めは地理の知識の普及を目的としたが、現在は地球について興味をそそる真実を伝える家庭雑誌。発行部数は約850万部(2010)。写真記事を中心とした内容で、既知の世界への「安楽椅子旅行(アームチェア・ジャーニー)」の雑誌といわれる。地球が丸いことを証明した写真、海中空中撮影の写真を最初に掲載した雑誌としても知られる。世界180か国で1000万人以上の読者をもち、1995年(平成7)には日本版『ナショナル・ジオグラフィック』が創刊された。

常盤新平

『大林辰蔵監修、Roy A. Gallant著『宇宙大紀行――タイム・トリップ200億年への招待』(1988・福武書店)』『ジェーン・リビングストン、フランセス・フラリン著、田中祥子訳『オデッセイ――ナショナル・ジオグラフィック傑作選』(1992・JICC出版局)』『竹内均監修、C・D・B・ブライアン著『人類の挑戦――冒険と発見の100年』改訂増補版(1997・ニュートンプレス)』『ナショナル・ジオグラフィック協会編『最後の楽園』(1997・日経BP社)』『ジェイ・アプトほか著、ロジャー・レスマイヤー編『驚異の地球――スペースシャトルが克明にとらえた大地、海洋、大気の映像』(1997・日経BP社)』

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百科事典マイペディア の解説

ナショナル・ジオグラフィック

世界最大の非営利の科学・教育団体ナショナル・ジオグラフィック協会(本部・米国ワシントン)が発行する会員誌(月刊)。オールカラーのグラフィカルな雑誌として知られ,〈地理知識の普及と向上〉を掲げる同協会の理念にのっとり,地理学にとどまらず文化,自然,科学,技術と幅広い分野をカバーしている。1888年10月創刊。当時は科学パンフレットの形態をとっていたが,1896年1月に月刊誌となった際に黄色で縁取られた表紙の雑誌として生まれ変わり,以後トレードマークとなっている。この黄色は〈ブライトリー・イエロー〉(輝く黄色)と呼ばれる。《ボーグ》(1892年創刊),《タイム》(1923年創刊)などにも影響を及ぼしたとされる。1995年,初の現地語版として日本語版を創刊。2005年発刊のインドネシア語版で英語版を含め28ヵ国語版を数える。発行部数約920万部(2005)。

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