ナシグンバイ(読み)なしぐんばい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナシグンバイ」の意味・わかりやすい解説

ナシグンバイ
なしぐんばい / 梨軍配
[学] Stephanitis nashi

昆虫綱半翅(はんし)目異翅亜目グンバイムシ科に属する昆虫。体長3~3.5ミリ。体は淡色で、小室には虹(にじ)色の光沢がある。前胸背の翼状突起は発達して側方に広がり、四列の小室がある。はねのX字状紋は顕著で、黒褐色。サクラナシリンゴなどに寄生し、果樹害虫とされる。成虫幼虫とも葉裏に群生し、吸汁後の葉には小さな淡褐色斑(はん)が無数生じる。成虫は8月末から9月の落葉開始時に早くも越冬し始める。本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸に分布する。

[林 正美]

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世界大百科事典(旧版)内のナシグンバイの言及

【グンバイムシ(軍配虫)】より

…汁液を吸収する際に,ウイルスなどの植物病原体を媒介するものもある。 日本産の種としては,ナシ,リンゴ,サクラなどに寄生・加害するナシグンバイStephanitis nashi,ツツジ類につくツツジグンバイS.pyrioides(イラスト),アセビ,カキなどに寄生するトサカグンバイS.takeyai,キク類を食害するキクグンバイGaleatus spinifronsなどが著名である。このうち,ツツジグンバイおよびトサカグンバイは苗木とともに北アメリカなどに侵入したことが知られている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」