ナウマン(Edmund Naumann)(読み)なうまん(英語表記)Edmund Naumann

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ナウマン(Edmund Naumann)
なうまん
Edmund Naumann
(1854―1927)

ドイツの地質学者。ザクセンマイセンで生まれる。ミュンヘン大学学位を取得した。日本政府から東京開成学校(東京大学の前身)の鉱山学科に招かれたが、1875年(明治8)来日のとき鉱山学科は廃止されていて、金石取調所で和田維四郎(わだつなしろう)と鉱物の調査にあたった。1877年に東京大学が創設され、地質学担当の教授となった。和田とともに建言していた地質調査所が1879年に設立されるとここに移り、1885年の辞職まで地質調査の指導にあたった。日本への地質学の導入、地質調査事業の開始に果たした功績は大きい。日本の地質を初めてまとめ世に紹介した『日本列島の構成と生成』(1885)の著書がある。とくにそのなかで、フォッサマグナによる東北、西南日本の区分本州を通じて走る「中央割れ目帯」(西南日本のものはのちに中央構造線とよばれた)による内、外帯の区分などの地体構造区分の研究は、大きな影響を日本に残した。ナウマンゾウは彼を記念して命名された。

[木村敏雄 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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