ナイル[川](読み)ナイル

百科事典マイペディア 「ナイル[川]」の意味・わかりやすい解説

ナイル[川]【ナイル】

アフリカ大陸北東部の大河。全長5760kmで世界第3位とされるが,ビクトリア湖に注ぐカゲラ川を含めると6695kmで世界最長。流域面積約335万km2ウガンダのビクトリア湖からアルバート湖を経てスーダンに入り白ナイルとして北流。エチオピア高原で発した青ナイルハルツームで合流する。さらにアトバラ川をあわせて砂漠を横切り,カイロ北方約20kmでロゼッタ,ディムセートの2支流に分流河口に大デルタを形成して地中海に注ぐ。ハルツームからアスワンまでの間に六つの急流があるが,ダム,急流の間をつなぎウガンダまで遡航(そこう)可能。流域は古代エジプト文明およびヌビア文明発祥の地で,ナイル川の定期的洪水による自然灌漑(かんがい)で農耕文化が栄えた。現在はアスワン・ダム,アスワン・ハイ・ダムをはじめ多くのダムが建設され,エジプト,スーダンなどで大規模な開発計画が進んでいる。ナイルの水源は古くから二つの湖であるとされたが,18世紀にいたって青ナイル,19世紀に白ナイルの水源が確証された。
→関連項目アスワン・ダムアフリカエジプトエジプト(地域)スーダンビクトリア[湖]

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